今年最後のツメサキノートの更新となります。

知多半島タウン情報誌Stepさん
来年1月号の「新美南吉の詩集より」のコーナーの
挿絵を担当させていただきました。



こちらが1月号の表紙 (イラスト:鈴木ありさん



私自身、毎回楽しみにしているページなので、
お声をかけていただいたときはとてもうれしかったです。
新美南吉というと、童話でご存じの方が多いかと思いますが、
実は多くの詩も残しています。
そして、詩も、とてもいいのです。
童話よりも、より新美南吉の素顔が見えてくるのではないでしょうか。

ツメサキの世界はそんな数多くの詩のなかの、
こちら「小さな星」の挿絵を担当させていただきました。

ツメサキの世界も、この「小さな星」のようであれたら…と思いましたので、
今年のおわりは新美南吉さんの詩でしめくくらせていただきたいと思います。

今年もツメサキノートに遊びにきてくださった皆さま、
ツメサキの世界のちいさなものをお手にとってくださった皆さま、
ほんとうにありがとうございました。
おかげさまで、とても充実した1年を過ごすことができました。


ツメサキの世界 石川みほ





小さな星
詩:新美南吉

彼は小さな星です
片隅にまたたいています
太陽の雄弁もありません
月の叙情も持ちません
金星の魔術もないのです
彼はちいさな星です
花屋が落としていった菫ノ一輪です
少女がすった燐寸の一本です
草の葉にかくれた子供の蛍です
夜 それぞれの星が それぞれの沈黙で歌うとき
遠い太古、深い森、
黒い海、大きな炎、
戦争やときめく心臓のことなど歌うとき
彼はちいさな星です
小さい蟲や小供のことを
うたいます
咳をしながらとぎれとぎれに
うたいます

風が吼える晩や
霧が湧く夜は
どっかへ隠れてしまいます

月が照らす空や
窓の明るい街では
自分の火をふきけしてしまいます
彼は小さな星です
梢の小枝にひっかかって
小さい眼をしばたたいています





こちら(→)でStep1月号の中身もご覧いただけます(期間限定)