今年もいよいよ「ごんの秋まつり」の季節がやってきました。
最近は、よく雑誌やテレビなどでも紹介されることも多く、
ご存知の方もたくさんおられるかと思いますが、
童話作家新美南吉のふるさとである愛知県半田市の矢勝川沿いには、
この季節、1.5kmにわたり、300万本の彼岸花が咲き誇ります。
この「ごんぎつね」の舞台にもなったと言われる、矢勝川の彼岸花、
実は自然発生ではないというのはご存知でしょうか。
半田生まれの小栗大三さんという方が、
戦争が終わって故郷に帰ると、
子供時代に遊んだ川は見る影もなく雑草が覆い茂り、郷里が荒れ果てているさまを見て
たったひとりで、一粒の球根から植苗を始めたのがきっかけなのだそう。
小栗さんは「昔の故郷の原風景への思い」と、「戦争で亡くなった友への鎮魂の想い」を込めて、
川沿いに彼岸花の球根を植えていきました。
(この小栗さんが子供時代に矢勝川で水遊びをしたなかに、幼き日の新美南吉もいたと伝えられています)
やがてその思いに共感した地元のボランティアの方々の手により、今では彼岸花の名所になったということです。
(もっと詳しいお話が知りたい方はこちらでご覧頂けます → ■)
平和が危ぶまれる出来事が多い近年ですが、平和であってこその美しい故郷です。
一本一本の彼岸花に、戦争で亡くなった方への鎮魂の想い、平和への願いが込められていることを知り
あらためて矢勝川の川沿いに立つと、また違った気持ちで彼岸花の花を眺めることができそうです。
この彼岸花がこれからもずっとずっと毎年美しく花を咲かせることができますように。
(去年の彼岸花の様子です 今年の彼岸花の開花状況はこちらでご覧いただけます → ■)
矢勝川の彼岸花を見た後は、
ぜひ新美南吉記念館と、併設の「cafe&shop ごんの贈り物」にお立ち寄りください。
南吉童話の世界をたっぷり味わうことができます。
ツメサキの世界も、新作を含めツメサキ生まれの新美南吉童話グッズや作品をお届けしております。
ぜひあわせてご覧いただけたらうれしいです。
≪ event data ≫
ごんの秋まつり
日時 : 9/16~10/4
場所 : 新美南吉記念館及び周辺